「GOTOイベント」は新型コロナウイルスの影響によって業績不振にあえぐイベント業界を救済するためにおこなわれるキャンペーンです。
GOTOイベントの管理は経済産業省と同省によって選定された博報堂がおこなうことになっています。
この記事では「GOTOイベントとはどんなものなのか?」「キャンペーン内容は?」といった疑問を解消するために、分かりやすくその内容を解説しています。
また、実際にGOTOイベントキャンペーンが適用されるイベントや開始時期についてもご紹介していますので、ぜひ参考にしていってください。
なお、GOTOイベントを利用する際には注意すべき点もあります。
そういった部分についても触れていますので、あらかじめ確認しておくようにしましょう。
GOTOイベントってなに?
GOTOイベントというのは新型コロナウイルス感染拡大を防止しながら、新しい生活様式の中でも音楽ライブ・スポーツ観戦を楽しんでもらうために計画されたキャンペーンです。
主な内容としてはチケット代の割引や物販購入に使用可能なクーポンの発行などが挙げられます。
そんなGOTOイベントについて、まずは基本的な概要からご覧になっていってください。
GOTOイベントの基本概要・キャンペーン内容
GOTOイベントは文化・芸術・スポーツなどに関連するイベント事業、エンターテイメント事業を支援するためにおこなわれるキャンペーンです。
そのため、キャンペーンの対象には「美術館・博物館」「映画館」「各種スポーツ観戦」といった多岐にわたるものが含まれます。
そして気になるのがそのキャンペーン内容ですが、GOTOイベントの主な内容は以下の2つです。
- 対象となるイベントのチケットが2割引で購入可能となる
- 対象となるイベント会場での物販購入に使用可能なクーポンの発行(チケット代の2割相当)
なお、どちらも1回に付き上限金額は2,000円までとなっています。
つまり5,000円のイベントチケットを購入しようとするとその代金の1,000円が割引、もしくは1,000円分のクーポンが発行されるということです。
これが4,000円のイベントチケットであれば800円の割引、800円分のクーポン発行となるわけです。
こうした形でイベント参加者側にあたる消費者が、通常より安い料金でイベントを楽しめるというのがGOTOイベントの基本的な役割となります。
また利用回数に関しては制限が設けられていませんので、何度でも利用することが可能というのも特徴的な部分です。
次に、GOTOイベントの対象となるものについて見ていきましょう。
GOTOイベントの対象について
現在のところGOTOイベントの対象になると考えられるものは以下の通りです。
- アーティストによるコンサートやライブ
- 歌舞伎や能などの伝統芸能
- ミュージカルや演劇
- 映画館
- 博物館
- 美術館
- 遊園地
- 展示会
- 野球やサッカーなどの観戦イベント
- マラソン大会などのスポーツイベント
- オンラインによる無観客ライブ
注目すべき点はオンラインによる無観客ライブ、つまり自宅にいながらイベントに参加するタイプのものもGOTOイベントの対象になっている部分です。
新型コロナウイルスの感染拡大防止を第一に考えた場合だと、この有料型ライブ配信サービスの料金が割引になるというのは非常にありがたい点だと思います。
実際、通常であれば大型の会場を使ってライブをおこなうようなアーティストもオンラインライブを配信するようになってきていますので、現実的に利用する方は多いと言えるでしょう。
また、身近なところで言いますと映画館でのチケット代が割引されるというのも消費者側にとって嬉しい内容と言えそうです。
次に、そんなGOTOイベントを利用するためにはどうしたらいいのか?という点について解説していきます。
GOTOイベントの利用方法
GOTOイベントを利用するには、事務局によって認められたチケット販売事業者およびイベント主催者から当該イベントのチケットを買う必要があります。
そのため、GOTOイベントの対象となっていない各種イベントのチケットに関しては割引・クーポン発行の対象になりません。
GOTOイベントの対象となるチケット販売事業者
- イベント主催者からチケット販売を委託された業者(チケットぴあなど)
- イベント主催者などにチケット販売システムを提供する業者
- 参加者へ直接チケットを販売するイベント主催者
このような事業者からチケットを購入することで、GOTOイベントにおける割引サービスなどが受けられるようになります。
ただし、国が定める新型コロナウイルス感染防止ガイドラインを守っていない場合はキャンペーンの対象外となることも想定されていますので注意が必要です。
実際に新型コロナウイルスが国内に広まってからおこなわれた演劇公演では、大型のクラスターが発生した事案もあります。
つまり、主催者が参加者へ直接チケットを販売するイベントなどにおいては、クラスター発生後の公演に関して割引キャンペーンが取り消しになることも考えられるわけです。
そのため、チケットを事前予約といった形で購入する際にはそういったことも想定しておくようにしましょう。
ということで、次にGOTOイベントがいつから開始となるのか?についてご紹介していきます。
GOTOイベントはいつから?
ここではGOTOイベントがいつから始まるのかについて解説をおこなっています。
GOTOイベントの開始時期について
現段階(2020年10月17日現在)ではまだGOTOイベントがいつから正式に始まるのか決まっていません。
経済産業省のホームページをご覧いただくと分かるのですが、スケジュールについては以下のように告知されています。
2020年10月中旬 | チケット販売事業者公募開始 |
2020年10月下旬 | イベント主催者公募開始 |
なお、今のところはチケットの販売事業者を選定している段階です。
そのあとにGOTOイベントの対象となるイベント主催者を募るということですから、現実的に考えるとGOTOイベントが開始されるのは11月上旬~中旬と言えるでしょう。
GOTOイベントの現状
GOTOイベントの現状を詳しく調査した結果として言えることは「いまだに不確定な部分が多い」ということです。
GOTOイベントに関連したネット記事などを見ると「チケット購入代金の2割相当額がポイントとして貯まる」といったことも書かれていますが、経済産業省のホームページを見てみるとそういった内容は今のところ盛り込まれていません。
(2020年10月17日時点)
おそらく最初に発表された概要の一部がいろいろな形で解釈され伝わっていっているのだと思いますが、こういった部分を見てもGOTOイベントには不確定な要素が多いといえます。
また、先ほども触れましたが仮にGOTOイベントの対象イベントで新型コロナウイルス感染者が多発した場合、これに関するガイドラインも決まっていません。
こうしたことを考えるとすぐに使えるチケットなら問題はなさそうですが、先だって予定を立てるタイプのチケットの場合は利用が中止になるリスクも考えておいた方が良さそうです。
さらにGOTOイベントを利用する際には参加者側・主催者側に対していくつかの注意点が設けられています。
GOTOイベントを利用する上での注意点
ここではGOTOイベントを利用する上での注意点を詳しく解説をしていますので、ぜひ事前にしっかりと確認をしておいてください。
GOTOイベント参加者側の注意点
GOTOイベントを利用する参加者側にはいくつかの事項に対して同意が求められるようになっています。
この事項に著しく反した行為をおこなった場合には「GOTOイベントキャンペーンで差し引かれた割引額や発行されたクーポン額を返還しなければいけない」といった措置も取られるようです。
そのため、チケットを購入する際には必ず提示されている同意事項をよく読むようにしましょう。
GOTOイベント参加者側への注意点
・参加前
- チケット購入またはイベント参加時には連絡先をイベント主催者側に登録する
- 国が推奨するコロナ接触確認アプリ(COCOA)を積極的に利用する
- 各地域や施設運営者の通知サービスを積極的に利用する
- イベント会場へ出向く際には人の密集を回避するために分散した形で交通機関・飲食店などを利用する
・イベント中
- 体温の確認などを事前におこない発熱および風邪の症状がある場合は参加をしない
- イベント会場ではこまめに手洗いや消毒行為をおこなう
- マスクの着用を徹底する
- マスクの着用が体質などによって困難な場合は主催者側の指示を受け、ソーシャルディスタンスを守るよう配慮する
- イベント参加中に大きな声を発すること、鳴り物の使用は禁止する
・参加後
- イベント参加後に新型コロナウイルスへの感染が認められた場合には速やかに保健所とイベント主催者に連絡をする
GOTOイベントはこうした利用規約に同意することでキャンペーンの恩恵を受けられるようになっています。
特に大人数が集まるライブイベントなどの際には、大声を出すことで途中退席といった措置を主催者側から取られることも考えられますので注意が必要です。
なお、上記の事項は経済産業省が2020年9月に取りまとめたものとなっていますので、実際にキャンペーンが開始されるおよそ11月には別の事項も加わる可能性が高いです。
そのため、チケットを予約する際にはあらためて注意事項をよく確認するようにしましょう。
GOTOイベント主催者側の注意点
次にGOTOイベント主催者側に求められる注意点についてご紹介しておきます。
こちらも経済産業省が発表したガイドラインを基にしていますが、この中には「同意事項を満たしていない場合は登録を取り消す」と明記されています。
つまり、主催者側が注意するべき点を守っていなかった場合には、その時点でGOTOイベントの対象外になるということです。
GOTOイベント主催者側への注意点
・開催前
- チケットの予約販売時、もしくは入場時には参加者に対して連絡先を求める
- イベント参加者に対してコロナ接触確認アプリ(COCOA)の利用を促すための具体的な措置を取る
- 各地域または施設運営者の通知サービスをダウンロードするよう促す
- イベント会場への移動および周囲の密集を避けるために、公演の入れ替え制などを導入して交通機関・飲食店を分散利用させる
・イベント中
- イベント開催中は参加者に対してこまめに注意事項のアナウンスをする
- 検温などを実施し、発熱・風邪症状がある参加者を会場に入れないなど具体的な措置を講じる
- イベント会場内には消毒液を設置し、参加者に対して使用を促す
- イベント会場内はこまめに消毒をする
- マスクの着用率100%を担保としてイベントをおこなう
- そのために主催者側はマスクの配布および販売などをおこなう必要がある
- 体質などを理由にマスクの着用が出来ない参加者に対してはソーシャルディスタンスを守った上で参加出来る形を具体的に講じる
- 大声を出す参加者を抑止し、個別に注意するなど対応をおこなう
- スポーツ観戦イベントの際には楽器などの鳴り物の使用を禁止する
- 休憩の時間や参加者が入退場する際には密集を避けるための措置を取る
- 主催者(演者や選手など)が参加者と接触しないようにする
- 室内のイベントの場合は換気をこまめにおこなう
・開催後
- イベント後にクラスターの発生が確認された場合は保健所、参加者、事務局および関係する機関に速やかに連絡をする
ご覧のようにGOTOイベントキャンペーンでは主催者側にも細かい注意事項が設けられています。
参加する側もこうした注意事項をよく理解した上でキャンペーンを利用するようにしてください。
なお、万が一GOTOイベントキャンペーンが実施されている最中に国や自治体による自粛要請が発令された場合は、その自粛期間におけるイベントすべてがキャンペーン対象外となります。
総括
GOTOイベントは音楽ライブやスポーツ観戦だけでなく美術館や映画館といった施設の入館料にも適用されます。
また、1回に付き上限額は2,000円となっていますが、回数に関しては制限がありませんので何度でも利用することが可能です。
現段階ではおそらく11月上旬~中旬にかけて開始されるものと見込まれていますので、実施された際にはぜひ賢く活用してみてください。
ただし、GOTOイベントでは守るべき注意点も多いため、チケットを予約購入する際には事前に同意事項をよく確認しておくようにしましょう。