新型コロナウイルスは2019年11月に中国で初めて確認され、2020年2月ごろから世界中へと感染が広がり始めた新種のウイルスです。
この新型コロナウイルスの爆発的感染拡大によって私たちの生活は一変しました。
そして、この先まだまだ長い間この新型コロナウイルスとの闘いは続いていくと予想されています。
そこでこの記事ではあらためて新型コロナウイルスに関する基本情報や予防法などをまとめました。
これまでの日本や世界各国のウイルス感染状況や対応、そして今後感染拡大を防止するために必要な知識などについてもまとめていますので、どうぞご覧になってください。
新型コロナウイルスについて正しい知識を持ち、正しく恐れ、正しい予防法をおこなっていくというのが事態を収束させるための第一歩です。
新型コロナウイルスとは?
世界中で大きな犠牲者を出し、経済的な損失についても甚大な被害を引き起こしている新型コロナウイルス。
まずはそんな新型コロナウイルスの基礎的な知識を身につけていきましょう。
新型コロナウイルスの基礎知識「COVID-19」について
新型コロナウイルスは2019年11月、中国の武漢にて初めて確認がされました。
この新種のウイルスには正式名称として「SARS-CoV-2」という名前が付けられています。
なお、よくニュースなどで見かける「COVID-19」というのは、この新型コロナウイルスに罹ることで引き起こされる急性呼吸器疾患などの感染症状を指す言葉です。
そのため、「SARS-CoV-2」というのがウイルスの名前、「COVID-19」というのが症状の名前と覚えておきましょう。
そんな新型コロナウイルスですが、中国の武漢で初めての感染事例が出たときには「原因不明のウイルスによる肺炎症状」とだけ伝えられていました。
しかし、その後2019年の年末から中国の春節(2月)にあたる時期までに中国全土へと感染が拡大し、そのウイルスを保有した多くの中国人が世界各地へと渡ることでパンデミックが発生。
症状についても2020年2月ごろからその危険性を指摘されるようになり、2月末にはWHOが「危険性が最高レベルに高いウイルス」と発表し、同年3月には世界中でのパンデミックが認められています。
こうした経緯によって世界中で大流行をしてしまった新型コロナウイルスですが、次にその代表的な症状というものを見ていきましょう。
新型コロナウイルスの症状
新型コロナウイルスに罹った場合、その症状というのは2つに分かれます。
ひとつは咳や軽い発熱などの軽度な症状、そしてもうひとつは高熱を伴いながら急速に悪化する肺炎症状です。
前者の場合はウイルスに感染したことに気付かない人もいるレベルで、割合としては8割程度の人がこの症状で済むケースが多いとされています。
しかし、残りの少ない割合の方々に関しては感染から1週間~2週間程度で症状が悪化し、死亡にまで至るケースも報告されています。
この異なる症状が発生するメカニズムについてはまだはっきりとした原因が分かっていません。
しかし、諸説ある中のひとつとして「特定の持病を持っている方が新型コロナウイルスに罹ると重篤化する」という報告があります。
そこで、新型コロナウイルスに感染し危険な状態となる可能性が高い持病・基礎疾患というものについて見ていきましょう。
新型コロナウイルスで重篤な症状を引き起こす持病について
まず前提として新型コロナウイルスというのは高齢者ほど感染すると死亡率が高くなるということを覚えておいてください。
ちなみにその割合というのは以下の通りです。
- 80代以上:11.1%
- 70代:5.2%
- 60代:1.7%
- 50代:0.4%
- 40代:0.1%
- 30代:0.1%
参考:NHK新型コロナウイルス特設サイト(2020年4月19日時点)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-rate/
なお、ほかのエビデンスによると年代別の死亡率がさらに高いというデータもありますが、ひとまずは高齢者ほど感染リスクが高いということを知っておきましょう。
そして、次に年齢が若くても危険性が高まる持病や基礎疾患についてですが、こちらも以下にまとめましたのでご覧ください。
- 糖尿病
- 心不全
- 呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)
- 透析を受けている方
- 免疫抑制薬や抗がん薬などを用いている方
こうした基礎疾患を持っている方や別の病気を治療中の方というのは、新型コロナウイルスによって症状が悪化しやすいと言われています
日本でも若くして新型コロナウイルスで亡くなった方の中には、こうした疾患を持っていた方もいました。
参考:産経ビジネス
https://www.sankeibiz.jp/econome/news/200519/ecb2005190655001-n1.htm
参考:週刊朝日
https://news.yahoo.co.jp/articles/48df5dc40ef79cadae7d1675163bb6de086f75a9
また、呼吸器疾患などを患っている人の場合は、新型コロナウイルスの影響でその症状が悪化し、人工呼吸器を装着しなければ助かる見込みがない状態にまで症状が進行するケースも多いです。
そのため、周りにこうした疾患を持っている方がいるとすれば、感染がおこらないよう最大限に注意する必要があります。
新型コロナウイルスに罹らないための方法とは?
次に新型コロナウイルスに罹らないための予防法などについて解説していきます。
なお、新型コロナウイルスが感染する原因となるのは大きく分けて2つです。
- 飛沫感染:新型コロナウイルスに感染している方が咳やくしゃみ(飛沫)などをすることによってウイルスが空気中に放出され、それを他者が鼻や口から吸いこむことで感染するケース。なお、目から感染する事例も確認済み。
- 接触感染:新型コロナウイルス感染者が自分の咳などを手で抑えた場合、その手で別の場所を触り、他者がそこを触って自分の目や口などに接触することで粘膜から感染するケース。
この2つの感染原因を踏まえた上で、新型コロナウイルスの予防法というのを解説していきます。
新型コロナウイルスの予防法(感染拡大防止策)
以下の予防法は「内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室」によって推奨されているものを分かりやすくまとめたものです。
なお、これらは自分が他者に対して新型コロナウイルスを感染させないためのものでもあります。
<新型コロナウイルスの予防法>
- 咳エチケットの徹底
- 石鹸などによるこまめな手洗い
- 室内などの空間で大声、大きな声の歌、呼吸が激しくなる運動をおこなわない
- 「三密」の空間に行かない
新型コロナウイルスを予防するためには、とにかく他者との関わり合いを極力減らすしかありません。
しかし、仕事などの都合で他者との関わりを持たざるを得ないという人の方が大半です。
そこで必要となるのが上記の予防法です。
まず咳エチケットですが、こちらは咳をしそうになったらハンカチやマスクなどで押さえるという行為です。
これだけでも飛沫感染のリスクというのが大幅に減少します。
次に手洗いですが、外出先などで手洗い場が近くにない・すぐに席を外せない場合を考慮して、持ち運び可能なアルコールスプレー・アルコールハンドジェルといったものを持参するようにしましょう。
そして室内や人が多い空間で大きな声を出さない、激しい運動をしないというのも新しい生活様式のひとつです。
とにかく鼻や口からの感染を抑えるためには、今までの生活とは違った行動を取らなければなりません。
また、ニュースなどでもよく見聞きする「三密」に対してですが、こちらは必要至急な用事がない限りは
- 「人が多く密集する空間」
- 「密接な距離となる空間」
- 「空気の流れが悪い密閉空間」
に行くことを避けてください。
ただし、先ほども触れたように仕事の都合で会社やオフィスに出向かなければいけないという方も多くいると思います。
そうした方の場合は、いわゆる「ソーシャルディスタンス(他者との距離を空けて接する)」を意識するだけでもずいぶんと感染リスクが下がります。
また、だんだんと新型コロナウイルス感染拡大前の生活に戻していくためには、以下のような感染拡大防止策を多くの人が実践することが大切です。
<新型コロナウイルス感染拡大防止策>
- 不特定多数の人が触れる場所に触った場合はすぐに手を消毒する
- 可能な限り乗車率の高い電車に乗らない
- 人が集まるパーティーをするときには屋外、もしくは広いスペースでおこなう
- 大皿に盛られた料理を複数人で食べない
- 知らない土地・知らない街の夜の店には行かない
- 新幹線や飛行機などを使い遠方まで行く際にはその前の数日~1週間他者との接触を極力しないようにする
現在のところ感染経路として多く見られるケースやクラスター(集団感染)が発生するケースの大半において「大人数で集まり飲み食いをする」という行為が引き金になっていることが分かっています。
そのため、これから新型コロナウイルスと付き合っていきながら経済活動をおこなうためには、上記のような防止策を意識することがとても重要です。
また、仕事上での付き合いでどうしてもそういった場に行かなければいけないケースでは、なるべく他人との距離を空けるように努めましょう。
新型コロナウイルスに有効な消毒・除菌グッズ
新型コロナウイルスに感染しないためには、日ごろから身の周りを清潔に保つことが大事です。
また、他者が触れることがあるオフィスでのデスク周りなどは常に消毒・除菌をするというのも感染防止にとても有効とされます。
そんな中で出来る限り外出中でも持参しておきたい消毒・除菌グッズ、そして自宅に置いておきたいものというのがこちらです。
<消毒・除菌グッズ>
- 外出用小型アルコールスプレーやアルコールハンドジェル
- 自宅用のアルコールスプレー
- 除菌シート
- 次亜塩素酸水関連商品
- 安定型二酸化塩素水溶液関連商品
新型コロナウイルスは70%以上のアルコールで消毒をおこなうと不活性化されることが分かっています。
そのため、コロナ対策として消毒をおこなうならアルコールがベストです。
そして、次に有効とされているのが次亜塩素酸です。
次亜塩素酸を含む商品には次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの2つがあるのですが、どちらも新型コロナウイルスに対して一定の効果があるという見解が発表されています。
ただし、次亜塩素酸には人体に有害な部分もあり、取り扱いに注意する必要があるとの声も挙がっているので万能ではないということを理解しておきましょう。
そんな中、2020年5月~6月ごろにかけて注目を集めているのが「二酸化塩素水溶液」です。
大阪大学の研究では「要時生成型二酸化塩素水溶液(MA-T)」を0.01%含む水溶液を新型コロナウイルスに試してみたところ、およそ98%以上を死滅させたという報告が挙がっています。
このMA-Tは人体に対する有害性もなく、多くの企業や有名ホテルチェーンで使われている消毒剤です。
最近では一般層に向けて関連商品も販売されていますので、アルコール消毒グッズが手に入らない場合は二酸化塩素関連のグッズを選ぶというのも賢明かもしれません。
新型コロナウイルスのこれまでの感染状況とは?
ここでは、これまでの新型コロナウイルス感染状況を日本と世界に分けて解説していきます。
(以下にまとめたデータは厚生労働省発表、2020年6月17日時点のものです)
国内における新型コロナウイルス
国内における新型コロナウイルスの総感染者数は17,628人で、集計時点で感染が認められ退院していない人の数は959人となっています。
なお、総退院者数は15,701人で、死亡者数は959人です。
また、都道府県別に見る感染者数では以下の5都道府県が上位となっています。
累計感染者数上位5都道府県 | |
---|---|
東京都 | 5,592人 |
大阪府 | 1,786人 |
神奈川県 | 1,411人 |
北海道 | 1,170人 |
埼玉県 | 1,021人 |
これに対して感染者がもっとも少ないのは、報告が挙がっていない岩手県を除けば徳島県の5人というのが最小値です。
世界における新型コロナウイルス
続いて世界における新型コロナウイルス感染者数を見ていきましょう。
まず、これまでに世界中で新型コロナウイルスに感染した人の数というのは7,941,791人で、死亡者数は434,796人です。
国別に感染者数の分布を見ると以下のようなデータが出ています。
累計感染者数上位5ヵ国 | |
---|---|
アメリカ合衆国 | 218万人 |
ブラジル | 192.9万人 |
ロシア | 54.5万人 |
インド | 35.4万人 |
イギリス | 29.8万人 |
(このデータの提供元はウィキペディアであり、感染者数の総数は各国からのリソースにより表示しています。そのため、実質の数値とは異なる場合があります)
なお、人口10万人あたりの感染者数の割合で見ると、アメリカ・ブラジル・スペイン・イタリア・ロシアの順番で高いことが分かっています。
参考:日本経済新聞
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-chart-list/
ちなみに情報が統制されている北朝鮮や中国などに関しては正確なデータが公表されているとは限りません。
世界人口第1位でありコロナウイルス発祥国である中国に至っては、おそらく公表されている情報の数倍もの感染者数がいると見られています。
各国での対応の違いについて
新型コロナウイルスに対する各国の対応には大きな違いがあり、日本のように罰則なしでの外出制限を掛けている国というのはほとんどありません。
多くの国では仕事などのやむを得ない事情がない限り外出することに制限が掛けられていて、その制限を守らない場合は罰金などの罰則が設けられています。
なお、新型コロナウイルスに対して特別な措置を取らず、あえて集団免疫を獲得しようと試みたスウェーデンに関しては2020年5月中旬ごろより感染者数の急激な増加が認められており、何かしらの対策が必須ということも分かっています。
今後は各国ともに段階的な制限の緩和を目指していますが、世界各地で第2波・第3波といった感染増加が確認されているため、渡航制限などが解除されるのにも時間が掛かると言えるでしょう。
結論
新型コロナウイルスに関する基本的な情報から予防法、世界各国での感染状況などをご紹介してきました。
新型コロナウイルスに関してはまだまだ分かっていないことが多くある状態ですので、出来る限り各個人が感染拡大を防止するための策と意識を持つことが重要です。