現在、日本中で新型コロナウイルスに関する影響が表れていますが、中でも特に飲食店の被害状況というのは甚大なものとなっています。
コロナウイルス感染防止に伴う活動自粛によって売上が大きく落ちているところが大半となっている今。
飲食店の経営者や店長が考えなければいけないことは
- 「どうやったら客が戻ってきてくれるか」
- 「そして自分の店でコロナウイルス感染者を出さないためにはどうしたらいいのか」
という2点です。
そこで、ここでは飲食店経営者・現場責任者(店長など)にぜひ必読してもらいたい「コロナウイルス除菌方法」をまとめてみました。
飲食店を営む人間としての目線はもちろんのこと、客目線から見たコロナウイルス感染防止策なども盛り込んであるため、ぜひ読んでもらいたいと思います。
飲食店のコロナウイルス除菌対策!基礎知識編
まずは飲食店で働く人間として最低限これだけは知っておきたい「コロナウイルスに対する除菌方法」とその「基礎知識」を見ていきましょう。
コロナウイルスの除菌に必要な薬品
コロナウイルスについてはまだまだ判明していない部分が多々ありますが、厚生労働省が推奨しているのは次亜塩素酸を使った除菌薬品です。
次亜塩素酸というのは自宅に置いてあるような、いわゆる「ハイター」に含まれるものでツンとした刺激臭を伴うのがひとつの特徴です。
この次亜塩素酸を含む除菌グッズには「次亜塩素酸ナトリウム」というものと「次亜塩素酸水」というものの2種類があり、それぞれが販売されています。
なお、どちらも新型コロナウイルスに対しての「不活性化効果」が高い確率で実証されているため、ぜひ店には置いておきたいところです。
ただし、こうした薬品に関しては現在のところ入手しづらいといった問題があります。
(販売数に対して需要が遥かに上回っているため)
そこで用意したいものがアルコールを含んだ(70%以上推奨)除菌スプレー類です。
今だとアルコールスプレーに加えてハンドジェルのような形態のものも販売されていて、比較的入手しやすくなっています。
次亜塩素酸系の薬品が手に入らないようであれば、こういったアルコール除菌グッズを薄めずにダスターなどに塗布して掃除するというのも効果的です。
コロナウイルスの除菌作業に必要な知識
コロナウイルスはヒトからヒトへの直接的な感染(咳やくしゃみによる飛沫感染)がもっとも多いとされますが、その次に多いと考えられているのがウイルスを含んだ飛沫が付いたテーブルなどを触ることによって感染するパターンです。
(ヒト・モノ・ヒトという感染ルート)
そのため、客が手を触れると考えられる箇所は特に重点的に除菌・清掃する必要があります。
中でも注意したい箇所を以下にまとめたのでチェックしておきましょう。
<特に除菌・清掃が必要となる箇所>
- テーブル
- 椅子
- トイレとそのドアなど周辺
- キャッシュトレー
- グラスや食器
- カトラリー
- 卓上調味料
別の客同士が間接的にでも接触すると考えられる箇所は特に注意が必要であり、さらにキャッシュトレーや卓上調味料といった細かな部分も使用した後にはすぐに除菌をします。
ちなみにこうした意識を徹底するというのは、自分だけでなく従業員たち全員が必要となります。
従業員への意識管理も大事
飲食店の場合は複数のスタッフが働いていることが大半ですが、従業員に対して「除菌活動の推奨」と「感染防止の概念」をしっかりと落とし込むことがもっとも大事なことです。
自分が休みの日にもちゃんと除菌・清掃をおこなうように徹底して教育する必要があります。
たとえば客が帰ったあとの「テーブル・その周辺」のアルコール除菌というのは最低限必要となりますが、こうしたことをしていない店というのはすぐに噂が広まります。
帰った客は見ていませんが、残っている客は実は意外と見ているものです。
ちゃんと客が帰ったあとに除菌作業をおこなっているかどうかで、今後は店の評判も変わってくるでしょう。
こうした「アフターコロナ期」に常識となる知識を、今のうちにしっかりと従業員全体で共有をしておくことはとにかく大事なことと言えます。
というわけで、次に飲食店向けのコロナウイルス除菌方法を具体的に解説していきましょう。
飲食店向けコロナウイルスの除菌方法
飲食店というのは特に掃除する箇所が多いですが、毎日しっかりと除菌をすればかなりの確率でコロナウイルス感染の被害を防げるようになります。
店側でおこなう除菌方法
<飲食店コロナ除菌対策>
- ホールと調理場の両方を清掃する
- ホールではテーブルはもちろんのこと、ハンガーなどの備品も除菌する
- 調理器具は必ず使用前に一度洗浄する
- トイレや店の扉など、別の客同士が共用する部分を徹底して掃除する
まず飲食店の場合は大きく「ホール」と「調理場」の2か所に分けることができます。
ホールに関してはテーブルやイスはもちろんのこと、ハンガーやブランケットなどもすべて除菌スプレーなどでケアしておくようにしましょう。
また、掘りごたつタイプの座席がある場合は掘りごたつ内の空間にもアルコールスプレーなどを噴霧しておくと効果的であります。
そしてトイレに関しては便座、水道の蛇口、ドアノブを徹底的に除菌すること。
また、使い捨てタオルペーパーはなるべく引き出しやすいように工夫しておくことが大事となります。
調理場に関しては、仕込みをする前に調理道具を一度洗うなどして衛生管理を徹底。
前日に洗浄をしていたとしても、集合ビルの場合は他店の排気がダクトなどを通じて流れ込んでくるすときがあります。
この排気の中にコロナウイルが含まれていた場合、出しっぱなしにしている調理器具などから感染が引き起こされる可能性があるので注意しましょう。
除菌の方法としては基本的にアルコールスプレーとダスターを使って拭き上げ作業をおこなっていきますが、仮に手に入るのであれば次亜塩素酸系の除菌グッズも活用したいです。
全体をしっかりと除菌・清掃したら営業開始となりますが、営業中の除菌作業というのも非常に大事なこと。
客が帰ったあとのテーブルの片付けでは除菌用のスプレーなどを使っての清掃が必須で、さらにキャッシュトレー・出入口の扉といった客が触れたと考えられる箇所はすべて除菌します。
もちろん使用後のグラスや食器は速やかに洗い場まで下げ、溜め込まないようにして洗うというのもひとつのポイントです。
万が一、食器などにウイルスが付着していたとすると、洗う前の食器を溜め込むことで洗浄が雑になり、ウイルスを完全に除去できない可能性もゼロではなくなります。
こうした細やかな部分までしっかりとケアできている店というのが、今後の時代に生き残っていく店と言えるでしょう。
客におこなってもらう除菌方法
飲食店の場合は客側に除菌の意識を持ってもらうことも非常に重要です。
そのため、最低限店内には以下のものを用意してもらいたいと思います。
<客用の除菌グッズ>
- 入り口にアルコールスプレー噴霧器
- 卓上のアルコールハンドジェル
- トイレの手洗い洗浄液&アルコールスプレー
今後はこうしたグッズを置いていない店自体が非常識と見られる時代が来るかもしれません。
そんな危機感を持って飲食店の代表者には働いてもらいたいものがあります。
そのほか除菌作業をおこなうべきポイント
店内の清掃や除菌作業をおこなう際には、必ずマスクを着用しましょう。
というのも、自分が仮に無症状のコロナウイルス陽性者だった場合、マスクをしていなければ自分の飛沫でテーブルなどを汚してしまう恐れがあるからです。
また、なるべく自分の手指は直接テーブルなどに触れないよう清掃をおこなうというのも大事なポイントと言えるでしょう。
これは自分が客からコロナウイルスを感染させられないようにするための自衛手段ですが、こうした意識を常に飲食店従業員が持っていなければなりません。
「自分が感染したら客にうつしてしまう、だからこそ自分は客から絶対にもらわないようにする」
この意識を働く人間全員に徹底して落とし込む、というのが今後の飲食店の課題と言えます。
飲食店からコロナウイルス感染を出さないための除菌エチケット
ここからはコロナウイルスに対しての除菌作業として、さらに一歩踏み込んだエチケットというものを見ていきます。
コロナウイルス徹底除菌①マドラー・バースプーンの使用について
酒類の提供をおこなう飲食店には、必ずマドラーおよびバースプーンというものがあります。
そして大抵の場合、飲食店では大きめのグラスやペールに水を張り、そこにマドラーやバースプーンを入れています。
オープンキッチンやカウンターがある店では、このマドラーやバースプーンの使い方ひとつで評判を落とすことになりかねないので注意しましょう。
というのも、たとえばバーなどの場合はボトルキープをしている客のおかわりを提供する際、バースプーンをそのまま同じグラスに使用するシーンというのは多々あります。
これは以前なら気にならなかったことですが、コロナウイルスという存在がある以上、店側がほかの客に対して一層の配慮をしなければいけません。
(同一の客が同一のグラスでおかわりをする際には店側で混ぜない、専用のマドラーを用意するなど)
また、これは接客を伴う飲食業(いわゆるガールズバーなど)においても同様です。
ハッキリいって夜の街で感染者が増える理由は、ヒトとヒトとの距離の近さ以上に同じマドラーを同じテーブルの人間で使いまわしていることが原因と言えるでしょう。
コロナウイルス徹底除菌②食器やカトラリーの保管・使用について
飲食店の営業許可を受ける際には、食器やカトラリー(フォークやスプーンなど)を収納しておく扉付きのスペースというのが必須。
これは保健所で配布されている申請マニュアルにも記載されています。
しかし、見栄えなどの理由から食器をそのまま戸棚から出す・戸棚の扉を外しているといった店が大半です。
コロナウイルスによって生活様式が一変した世界では、こうした飲食店での食器収納事情も見直さなければならないかもしれません。
たとえば、これまでカトラリーをそのままテーブルに置きっぱなしという店も多かったと思いますが、今後はそういったスタイルは100%受け入れられないものと理解してほしいです。
また、コロナウイルス感染防止という観点だけで言えば、すべて個別包装がされた使い捨てのカトラリーを使うというのも客からすると安心感がある対策と言えるでしょう。
(エコではない、経済的ではないといった理由はいったん置いておきます)
- 「食器は必ず扉付きの戸棚の中にしまう」
- 「カトラリーはテーブルに置きっぱなしにせず、必ずその都度テーブルへ持っていく」
この2点は除菌や清掃と並ぶ非常に大事な考え方だと感じます。
コロナウイルス徹底除菌③トイレでの除菌対策について
最近は客がトイレを使用するたびに従業員が掃除をしにいくという姿も時々見かけますが、トイレの除菌をおこなう際には必ず手袋を着用し、その都度使い捨てるようにしてもらいたいです。
これは二次感染を防ぐためでもありますし、従業員がトイレを清掃しに行く姿を見ている客のためでもあります。
従業員が手袋を使用せずにトイレの清掃をおこなっているシーンにたびたび出くわすと、不快に感じる人間も少なからずいます。
こういったことも店側の人間は考えなければならないようです。
また、トイレには必ず除菌用のアルコールスプレーもしくは除菌シートなども用意しておくことです。
特に女性客は便座を使用することが常なので、今後はいっそう除菌シートが必要となることが考えられます。
こうした様々な角度からの除菌対策をおこなって、初めてその店のコロナ対策は万全と呼べるようになるでしょう。
結論
飲食店におけるコロナウイルス感染防止のためのマニュアルとして、除菌方法や除菌に対する概念をまとめてご覧いただきました。
まだまだコロナウイルスというのは感染爆発の危険性があるもので、特に飲食店というのはクラスター発生を防ぐためにあらゆる方法で尽力しなければならないでしょう。
除菌グッズだけを集めても本当の意味での除菌にはならないので、この記事を参考にその使い方や使いどころというのを参考にしていただきたいと思います。